「お疲れさまです」
「よっしゃ、これで終わりだな？！今日は帰るからな、俺は！！」
今日こそは帰る。絶対帰る。姫発は意気込む。しかし今日に限って、誰も止めなかった。何故って――そっちの方が面白いはずだ、とみんな思っていたからだった。

「ただいまっ！」
まだ八時だ。そう、今日はちゃんと八時に帰ってきた。
けど家の中はどことなく静まりかえっていて、姫発はもう一度、ただいまー…と呟く。何かイヤな予感がした。しない方がおかしかった。新婚早々三日もまともに家に帰っていない。イヤな予感がしない方がおかしかった。

「…てんか…？」
キッチンに足を運ぶと、静まり返った中、テーブルの上に布巾をかぶせたお盆がのっていた。布巾をよけると一人分の夕食が箸付きで用意されている。
「天化の奴、どっか行ったのか…？」
姫発は呟いた。家中を探して、どこにもいなくて、最後寝室に立ち寄った。
次の瞬間、絶句した。


「……てんか……」
天化は――寝台の横に布団を敷いてもう寝ていた。
そのあまりな拒絶体勢に姫発は慌てて駆け寄る。布団の横に座って呼びかけても、天化は答えなかった。
「なあ天化、悪かったって」
「………」
「…天化」
「………」
なだめても無駄かも知れないと思って、姫発は別の角度から説得する。
「床に布団なんか敷いたら冷えるだろ？ちゃんとベッドで寝ろよ。俺が布団でいいからさ」
「かまわねーさ」
天化はそれ以上何も言わなかった。

姫発は、キッチンに戻って冷えた夕食を口にする。どうしようもなくわびしい、新婚第四夜がこうして更けていった。

なんで毎日連載にしようと思ったかとゆーと、こんなわびしい４日目はさっさと次に進まないとな…（苦笑）と思ったのもひとつだったのでした…（笑）
ちなみにみなとさんのネタです…床に布団敷き（爆）