キャプテンと船長さん、
及び宇宙編クライマックスについてちょっとクレームな話



「俺がキャプテン、あんたが船長だ」
というわけでノリノリな勇者と主なキャプテンシャークとイーザック船長。「キャプテンまで私より目立つんじゃなーい！」とか叫んでる船長さんに対してキャプテンシャークは技と武器に自分の名前付けちゃうようなヒトだからな…キャプテンソードとキャプテンキックって、なんですか貴方は（笑）「強いぞ！鮫船長」のキャプテンシャークのバトルっぷりを見ていると、本当に楽しそうですね、と言うほかありません。剣で敵メカ切った後に、残骸踏みつけてぐりぐりやってトドメさすんだもんな。豪快っていうかなんていうか。船長がコスプレでも気にしないし、あんな目立ちたがりな主でも全然気にしないし、きっと細かいことはまるで気にしない性格なんでしょう。なんたって主さえ拾って帰ってくれば、主の弟が燃えさかる戦艦の中に残ってようと気にしてないようですから（＃４５）。
もともと掟破りの9人目の勇者であるキャプテンシャークは、そもそも「ワルターの勇者」という位置づけで生まれたキャラクターなわけで、あの二人が気が合うようにできてるのはそりゃ当たり前なんでしょうが、それにしても割れ鍋に綴じ蓋だ。

しかしどうやらノリだけでレジェンドラを目指せるわけではないらしく、お子たちは勇者たちとの心の交流を経て、レジェンドラにたどり着くためのパワーアップを果たしております。だから船長さんとキャプテンシャークも、お子たちとは別個に、人と勇者が心を通わせた結果本当のエナジーを獲得したわけですが、こう大真面目に真っ当なことを書いてみるとつい笑ってしまいます…ゴメン（笑）

いや、でも本当に。勇者黄金化という最後のパワーアップは、タクヤたちの8人の勇者より、キャプテンシャークの方が早かったわけで。それは展開の前フリというか伏線というか、ひらたく言って展開の都合上であるのかもしれません。どっちが前どっちが後、というのはこの際、さして意味のあることではないのかもしれません。
でも、どっちが前だろうが後だろうが、ドランたちがタクヤとの絆でもってパワーアップを果たしたことと、キャプテンシャークの黄金化パワーアップは全く別の次元の話だった、ということなんだと思います。ドランの主はタクヤたちだったけど、キャプテンの主は船長さんだったと。当たり前っちゃ当たり前だけど、9人の勇者でミラクルギャラクティカバスターを初めて使った時はどっちがどっちでもいいような展開だったからなあ。
（ワルターがゴルドランの影の主人公であるというなら、勇者シリーズの主人公として勇者を手に入れるというところまで果たしちゃったわけだ、結局）

「人と勇者が心を通わせ本当のエナジーを手に入れる」というリカちゃん人形もといレジェンドラ王が課した最後の宿題、いや試練。
実際には「シリアスを心から救いたいと願い、主のその心に勇者が心から共感した」というココロの動きだったわけですよね（キャプテンシャークが＃４６で先行して黄金の力を手に入れた時のワルターの気持ちは、「自分がシリアスを救っていればこんなことにはならなかった、だからなんとしてお子たちを助けたい」ってことだけど）共通の目的に向かって心を一つにした、と言っても、それは本来の目的であるレジェンドラ探索じゃなかったわけです。もともと、勇者達の頭には、レジェンドラ探索しかインプットされてなかったにもかかわらず。レジェンドラ探索とは全く関係ない主の目的に共感したからこそ、レジェンドラにたどりつくための最後の試練を乗り切ることが出来た。
というんだったら、実はレジェンドラって、所謂悪の心を持った主とその勇者ではたどり着くことが出来ない場所なのでは？グレートゴルドラン初合体なんか見てるとそうとしか思えない…

話を戻して、ゴルドラン宇宙編の後半は、いかにシリアスの心を開くか、をえんえんとやってきたわけでした。＃４４「裏切りの門」で、シリアスが休戦協定を破った時、シリアスの兄であるワルターはショックを受ける。「私が今日までシリアスを説得できなかったばかりにお子達を」と言っちゃう。だってあんた実質的になんにもしてないじゃんとは容赦なくもツッコミたくなるところではありますが、この時点で兄は、弟との直接対決を決心するわけです。で、＃４５。単身シリアスのもとへ赴こうとする兄。キャプテンが嫌なら私一人でも行く！とまで言ったワルターに、キャプテンシャークは「あんたにゃ負けたよ、船長」と言う。＃３９「驚異の新合体技」で、無謀で考え無しな作戦を船長が打ち出した時は「無謀すぎる！」と言いながらも、船長命令の一言に黙ったキャプテンなんだけど、＃４５のワルターは、勇者に向かって命令もしなかった。自分一人でも行く、と言って。実際にはキャプテンにのっけてってもらわなかったらどうやってワルター一人でシュヴァンシュタインまで行くつもりだったのか知りませんが…（笑）
とにもかくにもこの回のキャプテンシャークは、命令もしない船長に付き合ってくれたわけです。ええ話や。「キャプテンが嫌なら私一人でも行く！」に対して、「どうやって行くんだよ」ってツッコんでもいいところだと思うのに！（笑）

まあそーゆーわけで、シリアスを助けたいと一生懸命になってる船長の心意気を、キャプテンシャークは汲んでくれたわけです。男気な人だ。しかしひとつ疑問点が。男気な人が、＃４５のクライマックスで、シュヴァンシュタインの中にシリアスだけほっぽって船長だけ連れて帰ってくるものなのかと。

勿論、「船長、もう駄目だ！」って叫んでワルターだけ回収したからには、本当に時間的に間に合わなかったのかも知れませんがね！そうは見えないけどな…それにしたって主の弟放置するかフツー？！どこの勇者がそんなことするんだよ！

勿論、展開の都合上ですよ。シリアスがレイザーの犠牲を以て救われて、さらなる孤独に陥るための話の都合ではありますよ。でもまあ話の都合たって、一方でドランがシリアスを気に懸けてるのに、キャプテンってシリアスほっぽってったんだね。つーかドランにとってはシリアスはいちおう当面の敵だけど、キャプテンにとっちゃ最初から主の弟君だろうが…いいんかなー、それで。
シリアスを助けたいって言って敵地に単身飛び込んだ主に付き合うくせに、主が救いたいって言ってる（いや、直接言ってたのは弟を更正させたいってな感じだけど）弟ほっぽって帰ってくるあたりなんというか…あのタイミングを見ると二元中継と言われようがなんだろうが、どこがどうタイミング的に「もう駄目だ」なのかわかりません。思いっきり余裕じゃなかろうか…キャプテンは見切りが早いってことですか？いやあまりこだわるのもよくないですが、放映当時気になって（笑）

実際にはシリアスの無事は＃４５で確認されたので問題ないっちゃないんですけどね。それでなくても、シリアスはシュヴァンシュタインの持ち主だから、緊急脱出手段くらいはわかってるだろうけど、ワルターは飛び込んだ身の上だから、キャプテンが回収してこないと助かる手段はないんだけどね。だから船長だけ拾ってくればいいということなんだろうか…そうだったらすんげえシビアな勇者だなキャプテンシャーク。勿論自分の主は回収してこなくてはいけませんよ？レジェンドラの勇者なんだから。それは当然だと思います。でも、主だけ助ければそれでいいのか、そうですか。主張のはっきりしたヒトだなあ。

ドランとの比較で言うと、本当にキャプテンってシリアスのことどうでもいいと思ってるんじゃないのかね？意味のない仮定だけど、ドランだったらシリアス置いてこないと思うんですよ。なにを言われてもどんな状況でも。そのために自分がダメージ負っても。でもキャプテンシャークは置いてきちゃったんだよなー。いや、意味のない仮定だとわかっていますよ。それでも、そういう意味で＃４５はすげえ話だなあと思いました。

ここからは話がいきなり変わってクレームになりますが、＃４５のワルターはどうなのよと思いました。つーか終盤のワルターは結構言ってることムチャクチャのよーな気がするんで、なんとも。自分は「お子たちと一緒にいて楽しかったから」その道を選んだくせに口を開くとシリアスに向かって「正しき心を取り戻すのだ」とか説教じみたこと言い出すだけだったし、血も涙もない乾ききった心しか持たないとか言い切っちゃっていいのかよ本人前にして（そこまで言っておいて次の回でどのツラ下げて「お前はもうこの兄の元へは戻ってこないのか」とか言うかなあ？あれって全然つながってなくておかしいと思う）。それで「お子たちと勇者たちの絆を断ちきることは出来ぬ」はともかくですね、お前は勇者の主にはなれないって断言するとこがなんとも。あのう貴方も一応（じゃなくて）勇者の主なんですよ？偶然だろうがなんだろうが（それを言ったらお子たちだって偶然だ）勇者持ってるヒトに、お前の心じゃ勇者の主になれんとか言われたらムカつくでしょうな…これで本当に弟をなんとかする気があるのかよ、あの兄貴は。そんでもって＃４６では、レジェンドラ王にシリアスの心を変えてもらおうというダイの提案を「その手があったか」みたいにあっさり受け入れちゃうしなー。それでいいのかよにーちゃん。あんたの手で戻してやれよ！カミサマに頼ってるんじゃないよ！

さらに言うと＃４７のワルターの「怒らないでやってくれ！」以降の、心を閉ざすシリアスはかつての自分と同じだった、みたいな言い分はおいおい本気かよ、と思ったり（苦笑）地球編で悪役をやってた頃のワルターを見ても、そんな過去は思い浮かばないよ、申し訳ないけど…だってシリアスにはレイザーしかいなかったけどワルターにはカーネルっていう育ての親がいたじゃん…あんたカーネルにめっちゃ甘やかされて育ってるじゃん…そんな、今シリアスがそうであるような、絶望的な孤独を味わっていたようには思えませんが。

話を二段落前に戻して。
そうは言いつつ、シリアスは誰の言うことは聞いてもワルターの言うことは聞かなかったんじゃないかと思うので、仕方なかったんだと思います。だって＃４６の最後で、レイザーに死なれ父に見限られ全てを失ったと悟ったシリアスがメインコンピューターシステムの中に飛び込んだのは、ワルターの顔を見た瞬間、なんだもん。兄貴が自分を追いかけてきたのを見た瞬間笑顔で死にに行くんだから、にーちゃんの言うことは聞けないよなあ。

シリアスを救いに行ったのがタクヤたちであったのは、タクヤたちが主人公だったから、だけではなかったと思います（それもミもフタもない言い方ですが）兄弟だからこそ、シリアスを救うのは、ワルターには出来ないことだったんじゃないですかね。弟にしたら、あの状況であの兄貴の言うことは聞けないでしょ。無能で国を追い出されて、かと思ったらお子たちとつるんでて、挙げ句知らないうちに勇者まで手に入れてるんだもんな。シリアスはワルターがキライだったろうし、そんな兄貴が差し出した手を受け入れられるとはとても思えない。

ところで＃４７で、グレートゴルドランに乗ってサイバーデスギャリガンに突入しようとしたタクヤたちに、ワルターがモニターで呼びかけたわけですが、その台詞は「タクヤ、弟を頼む」。「お子たち」じゃないのかよ、と深読みしてしまいました（笑）あそこで、最後の最後で、一番大事な局面で、「お子たち」じゃなくて「タクヤ」だったつーのはなあ、というわけで次項に続く。




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